2026年4月から、在職老齢年金制度が改正されました
2026/05/29 老後
2023年4月に、
【相談事例】働きながら年金をもらうと、年金が減らされると聞きました。本当ですか?
というコラムを書きました。
「在職老齢年金制度」のお話です。
今回この制度が改正されましたので、改めて新しい内容を書いておきたいと思います。
令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)に基づき、2026年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が月51万円から65万円に引き上げられました。
平均寿命・健康寿命が延び、働き続けることを希望する高齢者の方が増えています。
そのような方の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとすることが、今回の見直しの趣旨です。
目次
在職老齢年金とは?
公的年金の老齢年金には、加入していた年金制度により「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。
サラリーマンや公務員など、厚生年金保険や共済組合等に加入したことがある方には、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金が支給されます。
働きながら(厚生年金保険に加入しながら)老齢厚生年金を受け取る場合、報酬と年金の月の合計がある一定の金額(支給停止調整額)を超えると、年金の支給額が全部または一部停止される場合があります。これを「在職老齢年金」と言います。
次に計算方法を見ていきますが、計算の前に押さえておきたい点があります。
※厚生年金保険に加入しない働き方の場合は「在職老齢年金」の対象にはなりませんので、年金は全額受け取れます。
※老齢基礎年金は支給停止の対象にはなりませんので、老齢厚生年金だけを計算します。
※加給年金を受け取っている場合は、加給年金の額は除いて計算します。
※令和8年4月から令和9年3月までの支給停止調整額は65万円です。
※この65万円は令和8年度の基準額で、毎年度、賃金の変動に応じて改定されます。
在職老齢年金の計算方法
<令和8年度の計算方法>
①基本月額 : 年金年額を12で割った額
②総報酬月額相当額 : 毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額
❶①+②≦65万円のとき・・・全額支給
❷①+②>65万円のとき・・・支給停止額は (①+②-65万円)×1/2 ←65万円を超えた分の1/2支給停止
調整後の年金受給月額は
❸①-(①+②-65万円)×1/2で計算し、マイナスになる場合は、老齢厚生年金は全額支給停止となります。
つまり、年金の基本月額より支給停止額が大きい場合は全額支給停止になるということです。
※老齢厚生年金が全額支給停止になった場合、加給年金も全額支給停止となります。
※一部支給停止の場合には加給年金は全額支給されます。
今回の改正により、どのように変化したのでしょうか。
計算例を見てみましょう。
計算例
基本月額(老齢厚生年金額)が10万円、総報酬月額相当額(賃金)が46万円(標準報酬月額36万円、標準賞与額120万円[月額10万円])

出典 日本年金機構ホームページ
改正前の年金支給額
基本月額と総報酬月額相当額(賃金)の合計額が51万円※を超えますので、年金の一部が支給停止されます。
年金支給額=10万円-(10万円+46万円-51万円)÷2=7.5万円(2.5万円が支給停止)
※令和7年度の支給停止調整額
改正後の年金支給額
基本月額と総報酬月額相当額(賃金)の合計額が65万円※を超えませんので、年金は全額支給されます。
年金支給額=10万円(全額支給)
※令和8年度の支給停止調整額
※老齢基礎年金は調整の対象になりません。
まとめ
この度の改正で、働きながら年金を受給する高齢者のみなさまが、年金の減額を意識せずより多くの収入を得られるように、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が改正されました。
ご自分の場合は?をお聞きになりたい方は、ぜひ初回相談をご利用くださいね。
https://www.life-plan.or.jp/contact/contact.php
ファイナンシャルプランナー 平野 佳代子



