医療保険の優先順位
2020/03/25 保険
~ 多額の入院給付金を受け取ることは稀 ~
テレビCMや新聞広告でたびたび目にする 「医療保険」 ですが、
その優先順位は意外に低いのかもしれません。
目次
困る事態に備える = 保険
ご相談に来られるお客様が 「難しい」 「分かりにくい」 とおっしゃることの一つが 「保険」 です。
確かに保険は 「お金を払ってすぐに何か良いもの(コト)が手に入る」 ような他のモノとは違い、将来起こるかもしれない事柄のために今お金(保険料)を払うわけで、その将来の出来事に対して今支払うお金が、安いものなのか高いものなのか、わかりづらいですよね。
しかし一つだけ、ほとんどのお客様が「それはそうだ」と感じていらっしゃるシンプルな事実があります。
それは 「お金がたくさんあれば保険は要らない」 ということです。
ということは 「将来お金が足りなくなるような事態」 に備える役割 = 保険 ということですね。
ところで、その 「将来お金が足りなくなる事態」 にも、 「大変困る事態」 から 「ちょっと困る事態」 まで様々です。みなさんはその 「大変困る」 も 「ちょっと困る」 もごちゃ混ぜにして、その多くを 「保険」 という商品でカバーしようとしていないでしょうか?
入院の際に、金額ではいくらの困った事態になるのでしょう?
「ちょっと困る事態」 をカバーする際の代表的な例が医療保険の入院給付金です。
病気やけがで入院した場合に、入院日数分の金額が給付されます。
ただ、昨今の公的社会保険事情において、何か月もの長期にわたって入院することは稀なケースになりつつあり、数回入院を繰り返しても100万円を超えるような多額の入院給付金を受け取ることは滅多にありません。1回の入院で数万円からせいぜい数十万円の入院給付金を(場合によっては手術給付金も合わせて)受け取るのがほとんどです。もちろんその給付金を受け取った時には 「ヨカッター」 とお感じになるでしょうが、
さて、あなたはそのために一体どれだけの掛け金(保険料)を支払ったのか、あるいはまた、これから先いくらの掛け金を支払うことになるのか、電卓をたたいて確かめてみたことがあるでしょうか。
そしてさらには、そうやって受け取ることのできるせいぜい数十万円の給付金がなければ、あなたの人生は「大変困る事態」に陥るのでしょうか。もしもそうであるなら(大変困る事態になるのなら)、その数十万円の貯金ができない家計体質の方が問題です。
優先順位を考えよう!
当然のことですが、 「保険に加入していれば病気にならない」 わけでも 「保険に加入していれば病気が治る」 わけでもありません。あくまでも入院した際の経済的なダメージを補うものでしかないのです。
ですから、
「起こる可能性は高いけれどダメージは小さい」 ことと
「滅多に起こることではないがダメージは大きい」 こととを分けて、
優先順位をつけましょう。
そうしてみると、医療保険の優先順位は、それほど高くはないかもしれません。
ファイナンシャルプランナー 三谷慶太