カミナリ型?ともだち型?望ましい親の姿とは
2021/02/15 家族関係
わが子をしつける時、みなさんはどんな気持ちで子どもに向き合っていますか?
厳しい「カミナリ型」の親?
やさしい「ともだち型」の親?
望ましい親の姿とはどういうものか考えてみましょう。
目次
子どもは厳しく育てよう
ある研修会。
「子どもの話をしっかり最後まで聴きましょう。」
という話をしたところ、一人の男性から意見が出ました。
「傾聴するということですね。その大切さはよくわかります。けれど、必要な場面では、ガツンと怒らないといけないのではないですか。特に父親はそうでないとダメだと思います。最近、『カミナリ親父』がいなくなり、『ともだち親子』が増えたという話を聞くのですが、あれはいかがなもんでしょうね。」と。
男性の発言に多くの参加者が「そうそう。」というふうにうなずかれました。
つまり、『恐い父親』でないと、いざという時に子どもが言うことをきかないのではないかということです。
長年にわたって培われた親子関係に対するイメージだなと私は思いました。
もちろん、『恐い父親』が必要な場面もあるでしょう。誰もがみんな、子育ての方法を習っているわけではありませんし、私もかつては「親だから、バシッと言って聞かせなければ。」と思っていました。
でも、ちょっと考えてみましょう。
私たちが大人として「この人の言うことはもっともだなぁ。この人の言うとおりにやってみよう。」と思える人は、「恐い顔」をして「怒って」言っている人でしょうか。
決してそうではないはずです。
穏やかな表情、静かな口調であっても、「そのとおり!」と思える人はいらっしゃいます。
それは、その人に対する信頼感。
日頃の行いや発言などから、その人に対する信頼感が築かれます。
そして、いざという時に大きな影響力を持つのです。
逆に、大きな声で「怒って」ものを言う人に対して私たちが抱く感情は、「あんなに怒って言わなくてもわかるのに。静かに言えないのかねまったく!」だったりしませんか?
同じことを言われても、「この人の言うことだけは聞きたくない。」と思う人もいれば、「この人の言うことなら、どんなことでもやろう。」と思う人もいます。
だとすれば、親子関係にも同じことが言えるはずです。
信頼される親になる
「お父さん(お母さん)の言うことは間違いない。」という気持ちが子どもの中にどれだけ育っているかということでしょう。
親子の間にそういう信頼感があれば、子どもが間違ったことをした時に、『恐い顔』をして『怒って』言わなくても、それは伝わります。そこに『毅然とした』態度があれば、子どもはちゃんと理解します。
「いつもは優しいお父さん(お母さん)が、ダメだと言っている。考えてみればその通りだな。これはいけないことなんだ。」と。
子どもが幼い時に築かなければならないのは、『基本的信頼感』。
子どもの話を十分に『聴く』ことでそれは培われます。
それは、子どもの『言いなり』になることとは、根本的に違うもの。『ともだちのような親子』をめざしている人は、気をつけなければならない点でしょう。
ここを間違えなければ子どもは「自分勝手」な人間にはなりません。
子どもに対して、『カミナリ親父』や『ともだち親子』になるのではなく、『信頼される親』になることこそ、最も大切なのだと私は考えています。
特に子どもとお金の話をする時は、厳しい口調になりがちです。お金の話をする時こそ、穏やかに落ち着いた雰囲気で話をしたいものです。
親子のマネーカウンセラー 鶴田明子